VOLVER

ボルベール 帰郷
試写にて。
忘れもしない,2000年のアカデミー賞 最優秀外国語映画賞は「オール・アバウト・マイ・マザー」だった。
その時のプレゼンターはPenelope CruzとAntonio Banderas 封筒を開けて,彼女は叫んだ「ペードロロロロローーー(巻舌)」 地味だ地味だと言われてたあの授賞式で,最も盛り上がった場面ではなかっただろうか。 Pedro Almodovarの風貌とひたすら喋り捲る情熱に圧倒された。
強かな情熱,時には病的なまでの愛情と,怖いくらいの繊細さが同居している。 この人の映画にはいつも。
鮮やかな色彩と完璧な構図にまず目を奪われる。 更に,深く深く入っていくと,登場する女性たちの内面では美しさも醜さも人間の持つ魅力のすべてが完璧なバランスを保っていて,感嘆する。
女性の強さと優しさと美しさを,これほどまでに強烈に目の前に突きつけられたことはたぶんない。 心臓を,掴まれるほどの衝撃と感動。 視覚的な美と精神的なものが一瞬交わったとき,涙が出るのだと知った。 シチュエーションはかなり怖いが,それを遥かに上回る明るさがある。 みんな眩しいほど,きらきらしている。 Penelope Cruzをこんなに輝かせられるのは,この人だけじゃないだろうか。
素晴らしい映画だった。
帰る場所があるから,どんなに辛いことがあっても人は現在を生きていける。
帰る,というのは且つて一度でもそこに自分の居場所が確かにあったということだ。 居なかった処に帰ることはできない。 故郷ってのは単なる地名を指すのではなく,心の中にこそあるのかもしれない。
そしてそれは母親そのものなんだと。
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2007.07.04. 辛口だけれど映画が好きです